私は以前から、
石丸謙二郎 のような顔立ちなのがコンプレックスで、
ついつい前髪を伸ばしてしまうような気の小さな男である。
私は化学系の基礎研究で毎日精進している。
本屋でいつもの電車に乗る前に時間をつぶしていると、
前とは雰囲気の違った有紀と再会した。
有紀は来年もこの仕事を続けていく自信が無いといいながら、
観光バスガイドの難点を並べ立てた。
私たちは「あ〜あの先生いやだった」などと昔話を思い出しながら会話を始めた。
有紀の成績は中の上ぐらいだったらしいが、
生物に関してはいつも学年でベスト3だったらしい。
私の好きな教科は化学だった。
あまりあれこれやるタイプではないらしいが、
茶道だけは一生懸命やってるらしい。
私はラジコンの専門サイトがあるとは知らなかったのだが、
ふとした拍子に出会ってからはそこの常連である。
人工授精で赤ちゃん欲しいとは長いつきあいだが、
最近状況が悪くなってきているようで私にとっては大問題だ。
どこかに行きたくなった私たちは、
有紀の希望もあってデパートへと繰り出した。
二人ともそろそろ時間が来たことにわかっていながらも、
なかなか別れの雰囲気にならなかったが、
だんだん空が暗くなってきたので別れようということになった。